会社が倒産しそうな平社員のはなし

病気から復活したら、今度は会社がピンチでした。

その辺の平社員が学んだ営業のコツの話~話し方編~

前回のおはなしはこちら

 

makkuronekosuke.hatenablog.com

 

その昔営業系の部署をお役御免になって設計部へ転属、そこからメンタルをやられて休職期間を経、戻ってきたと思ったら設計部から営業部へ急な異動を経たところ驚きの大躍進をしたという波乱万丈な流れを辿っている最中の私ですが、前記事でもお話しした通り特別な事はなにもしておりません。

ですがこの1年を振り返り、そういえば前とここが違うなというところがいくつかありますので「営業活動うまくいかない!」という方々へ、少しでも参考になればと思います。

 

話し方を変えてみる

 

営業の話し方、といわれて思いつくのはどんな話し方でしょうか?

私は「ハキハキと丁寧に、敬語で話す」が営業の話し方だと思っていました。

大企業さん同士など、お堅い場所ではそれが正解なのだと思いますが、私のように1対1の営業をする職の人には「少し崩した敬語で話す」がどうもちょうど良いように思います。

というのも、しっかりしすぎた話し方はとっつきにくい印象を与えてしまうようで親身になって話している印象が薄れる様なのです。

そういうビジネスライクな態度が好きなお客様もいらっしゃるのですが、「ノリ」と「相談しやすさ」を好まれる方も多くいらっしゃいます。

そして私にとって「少し崩した敬語で話す」ことのメリットはもうひとつ、自分にとって逃げ道を作るという役割も持っています。

なぜかお客様は「カチっとした敬語で話す人」がミスをしたときと「親しみやすい話し方をする人」がミスをした時では、それまでの対応がどうあれ「カチっとした敬語で話す人」の方が大クレームになりやすいんですよね。

私の仕事は自分がどれだけ気を付けていても、途中で他の人が大クレームを起こす原因を作ってくる可能性がある仕事なので、何かあった時にお客様とどれだけ距離を離さずにいられるか、というのが大切になってきます。

2年前の私は父親譲りのとても丁寧な敬語でお客様と接していたのですが、いまいちお客様との距離が詰められずにいました。

ところが今年になって、話し方を少し変えてみたら、驚くぐらいお客様が色々な相談をしてくださるようになったのです。

肝心の話し方ですが「ちょっと方言を入れたり、語尾を緩めて話す」程度の崩し方です。

 

例えを挙げると

「その商品でしたら、弊社でもお取り扱いがございますよ」

 ↓

「その商品なら、うちでも取り扱いしてますよ」

 

「大変申し訳ありませんが今週は建て込んでおりまして、お見積りがご提示できるのは〇〇頃になります」

 ↓

「最近仕事が立て込んどって今週は難しいんですけど、〇〇頃にはご用意できますよ」

 

「こちらのお見積りは現時点でもかなりお値引きさせて頂いておりまして、会社でも相談したのですがこれ以上は厳しい状況でして・・・。ですが、前向きにご検討頂いているとおっしゃって頂いているので、もう少しだけお引きして〇〇円まででしたら、なんとか上司を説得いたします。」

「いまの時点でもかなりお値引きしてて、会社に相談してもこれ以上はかなり難しいって言われちゃったんですよ・・・。でも、せっかくご契約のお話頂いてますし、なんとか〇〇円までは頑張りますんで、この金額でお許し貰えないでしょうか」

 

こんな感じです。

最後の会話なんて、まるでマンガに出てくる商店街の値引き交渉みたいですね。

でも、実際にこんな話し方でも顧客の8割は契約ができていますし、むしろ意外なことに「話しやすい」とご好評いただいています。

ちなみに私、まだ20代ですので年齢の貫禄とかも何もありません。

それでもこの話し方で怒られた事がないのですし、逆にお客様も自分の身の上話を始めたり、近況の話をしてくれたりして距離が縮められることの方が多いです。

 

逆に私が会話する上で気を付けている事は

①話し方がゆっくりになってもいいから、言葉の間に「あー」とか「えー」とか入れない

②言葉尻に「させて頂く」を多用しない。

③他の社員が話しているときは、余裕があったら「良い言い回し」と「聞き苦しい言い回し」を聞いて覚える。

このくらいです。

 

「あー」とか「えー」とか言わないというのは、言わずもがなですね。

これを多用する人の話は、それだけで聞き辛い上に信頼度も落ちます。

昔私の父が空港で渡航目的を聞かれたとき「あー」や「えー」を多用して話していたばっかりに、不審者と勘違いされて別室へ連れて行かれたことがあります。

考えながら話していただけで、なにか焦っていたとかではないのですが、それほどまでに「あー」や「えー」は相手に不信感を与えるです。

国会答弁など聞いて頂けると、私の言いたいことが伝わるかと思います。

言葉の間に不要な単語を入れすぎると「仕事が出来ない人」という印象が強くなるそうですし、話している内容がとても実のあるものでも、なんだかモッサリして聞こえるんですよね。

考え事をしながら話すなら、いっそのこと言葉を話す前に「うーん」とか「そうですねぇ」とか、一文字じゃない言葉を入れ、考えを簡単にまとめてから話始めた方が、意外とスムーズに会話できたりします。

 

 使う言葉も使い慣れていない言葉を入れて間ができるくらいなら、話しやすい言葉でサクサク話せるほうが、肩に力が入らなくていいと思いますよ。

 

 ②の言葉尻に「させて頂く」を多用しないということですが、一言でいうと聞き苦しいです。

私の先輩社員に、お客様と会話するほぼすべての語尾に「させて頂く」を入れていた人がいました。

実際の使い方が

「本日現場の確認をさせて頂きましたので、お見積りの方は〇日にお作りさせて頂きます。完成したらお電話させて頂きますね」

と、まあこのような感じです。

同じ言葉が続いていることも聞き苦しいのですが、そもそも「させて頂く」と言わなくてもいいところにまで「させて頂」きすぎていて、敬語の下手さが逆に際立ってしまっています。

私の個人的な好き嫌いもあると思います。

しかし同じ文章でも

「本日現場の確認をさせて頂きましたので、お見積りの方は〇日にお作り致します。完成したらお電話差し上げますね」

こちらの方が聞き取りやすくはないでしょうか。

この「させて頂く」の多用はカッチリした敬語になれていない人が敬語を使用する時によく見かけるような気がします。

作文のコツとして「同じ語尾で終わる言葉を続けない」というルールをご存知でしょうか?

同じ語尾が連続して続くのは小学生の子の作文などによく見られる特徴でもあり、相手に幼稚な印象を与えるのだそうです。

「昨日は公園にいきました。A君とボール遊びをしました。楽しかったので今日も遊ぶ約束をしました」

「させて頂く」の多用も、これと同じことなんですね。

プラスして「させて頂く」は非常に誤用も多い言葉です。

もし「させて頂く」クセがついている人がいたら、これを改善するといっきに話し方が上手くなるかもしれません。

 

③は+αの要素なので、本当に余裕があったらでかまいません。

良い話し方、悪い話し方の判別がつくようになったら、自分の話し方も同時に向上していくと思うので、何かの片手間とかに聞いていると、いつか役に立つかもしれないな程度のものです。

ついでに面白い話や興味深い話が聞けることもあるので、耳に余裕がある方にオススメの会話上達法だと思って頂けると良いかと思います。

 

以上、平社員が学んだ営業のコツ~話し方編~でした。